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今年もお世話になりました。

かつて多くのファンを魅了した、笑いと涙の名作「週刊オンリーミー」が、
フェイスブックからこちらに移転して「月刊オンリーミー」となって復活します!

ということは…
数年ぶりに執筆活動を再開です。(拍手パチパチ)

日常起こった出来事にデフォルメを加えて、ショートコントにしてしまう
脚本家、真部の真骨頂を存分に味わって頂けます。
楽しみにしていてください。

では、まずは軽く復活ののろしを上げておきましょう。
【今年もお世話になりました。】からスタートです。

気付けば、年末の挨拶廻りの時期を迎えた。
例年だと、カレンダーを持って一年間お世話になった方々に感謝を申し上げるのが季節行事になっていたが、
今年は時節柄、特に慎重さが求められる。
お気楽に訪問などしてしまうと、大迷惑をかけてしまうことを考えると無責任な行動はとれない。
私はゴミ出しの分別は苦手なくせに、そういうところはきちんと分別のできる男なのだ。

と、いうことで、大量に発注してしまったカレンダーのお届け方法に頭を悩ませている。
訪問先のポストに出向いて投函だけしようと思っても、サイズ的にポストの入らない。
郵送しようと思っても梱包方法でつまづく…。

開き直って、「コロナウイルスの事情から、お渡しできませんでした。」とも考えるが、
私の事務所のカレンダーはビジネス仕様のクオリティが高いことから、
根強いファンの方が毎年楽しみにして頂いている。
そうこうして、もたもたしているうちにタイムリミットが迫ってきた。

「よし、この手でいこう!」
考えた策はこうだ。

窓越しに顔をチラっとだし、中の人と目が合ったことを確認して、ドアを少しだけ開け、
カレンダーを室内へコロコロと転がす。
そして、すかさずダッシュでその場を離れる。

これが、私なりの最大限の気配りなのである。
実際やってみると、結構うまくいった。

慣れてくると、目標時点を定めて転がして、ピタッとその位置で止めることもできるようになった。
もしかして、自分にはカーリングのセンスがあり、職業を間違えたかなと思うぐらい上手だった。

順調に配布を進め、残りあとわずかと終盤戦に差しかかったときに事件は起こった。

窓越しに中を覗き込んでいる私の姿を、明らかに不審者と勘違いしている近隣住民と目が合った。
「マズい!通報されたらやっかいなことになるぞ」
とっさに、私は走って逃げた。
車に戻るや否や急発進させ、その場を離れ、何とか難を逃れることに成功した。

「危なかった。もう少しで不審者でつかまるところだった」
安堵し、デイリーヤマザキでカフェラテを飲みながら冷静になってくると、一抹の不安が脳裏をよぎった。

「かえって、ヤバいことになったんじゃないか?」

次の日、朝一番で地元新聞をくまなく調査する。
とりあえず、不審者目撃情報は何も載っていなかった。
その日以降、毎朝、新聞の地元欄を必ずチェックするのが日課となった。

やがて1週間が過ぎたころ、もう逃げ切っただろうと確信した。
「よし、逃げ切った。もう大丈夫だ!」
気分は、テレビ番組の逃走ゲームで、制限時間を逃げ切って100万円を獲得した勝者の感であった。

しかし、よくよく考えてみると、逃げる必要があったのだろうか?
ただ単にカレンダーを配りに行っただけが、いつの間にか逃げる犯人に置き換わっていた。

近隣住民に発見されたときに、これ見よがしに堂々と会社の中に入っていれば良かった話ではないか?

「なんだよ。だったら、こんなことに巻き込まれないで済んだじゃないか」。

It is no use crying over spilt milk.

突然、中学校で習った英語のことわざを思い出した。
「こぼれたミルクを嘆いても仕方がない」、
「覆水盆に返らず」の英語。
昨日の昼ご飯は思い出せないくせに、昔のことは覚えている。
これは初老の域に入ったということか…。

こうして、今年もこれといった進歩もなく、中途半端な1年を終えようとしている。
「覆水盆に返らず」。
来年は、もう言いたくない言葉である。

皆さま、今年も大変お世話になりました。
どうかお体にはご自愛され、良いお年をお迎えください。
コロナが終息しましたときには、どこかでお会いしましょう。


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(END) Thanks for reading!

突然ですが…政党こどもの涙ゼロ... 本年も良い1年でありますように