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ZOOM会議の楽しみ方

時節柄、オンラインでの全国会議に初参加する。

全国会議という以上、参加者が47名いるから一人当たりの発言時間は少ない。
1度現状報告で回ってくると、取り敢えず出席義務は果たしたことになる。
となると、こういった受動型の会議では、早い時間帯に発言を済ませておくことが戦略上重要となる。

しかし、先に発言を済ませたからといって安心はできない。
参加している姿は、パソコンのモニター上に常に映し出されているのだ。

単調な画面を眺めながら、淡々と流れてくる音声を2時間も聴き続けるのは、結構しんどい。
モニター上での自分の姿は画面が小さく、他の参加者からはほとんど見られていないことが解っているので、
つい気が緩み、集中力が落ちてくる。
うっかり居眠りして、何かのはずみに体がビクッと大きく反応でもしてしまったりしたら、
参加者全員からひんしゅくをかうことになってしまう。

そこで、眠気と戦うために2時間飽きないように工夫を凝らさなければならい。

とりあえず、モニター上の自分の姿を確認しながら、ビミョーに体を左右に傾けてみたり、
何気なく左右の手を頭とあごにもっていって、頭を少しひねり何かを考えているような表情で、
指をゆっくり動かし、掻くふりをしてチンパンジーのマネをしたり、
物を何回も落として、画面から一瞬姿が消えてはチラチラ映しだされる自分の姿を見て楽しむ。

しかし、それもすぐに飽きて10分と持たない。
「他に退屈しのぎは何かないかな?」と思っていた時だった。

偶然パソコンのキーボードにプリントスクロールのキーが目に入った。
なんとなく押してプリントアウトしてみる。

当然だが、今の会議風景がプリントアウトされる。
ちょうど進行役の顔が中途半端な状態で停止となった「ヘン顔」になっていて笑えた。

「これはいける!」と、私に一瞬の閃きが走った。

もう1枚印刷してみる。白目になっていておもしろい。
「ついでに小学生の頃よくやった、教科書の人物写真への落書きをやってみよう」

こうなるともうどうにも止まらない。眠気などもうどこかへ吹っ飛んでいた。
大事な資料を読んでいるフリをして、手元の印刷物に描き込みを入れる。

まずは、お決まりのリーゼントヘアに塗りつぶし、鼻の下に五本ひげで波平さん。
丸メガネを描いて目を血走らせる。
口からはベロを出しアッカンベー。筆のようなあごひげを伸ばして、
両耳からは風ぐるまをクルクル回転。
最後の仕上げにほっぺにクルクル模様で、ヘンタイおじさんの完成。

初歩的な作品ではあるが、ヘン顔美術館があれば飾ってもらいたい仕上がりとなった。

普段の真面目な人柄を知っているが故に、極端なコントラストに結構ウケる。
おそらく、飲み会で羽目を外すとこんなことをやりだすのだろうと勝手に妄想する。

ニヤつかないよう細心の注意を払いつつ、深刻そうな険しい表情を装い、真剣に聞いています感を演じる。

その傍らでは、次々と別の人をプリントアウトしては、ヘン顔に仕立てていく。

重要資料を見ているようにしか映っていないからバレることはない。
画面に映っている人の真面目な表情を確認し、手元のヘン顔落書きと見比べてはギャップを楽しむ。

そのうち、それだけじゃ物足りなくなってくる。
モニター画面に映し出される顔が、切り替わっても定位置にあることに気付き、
今度は直接画面に消せるマジックを取り出し、描いてみる。

描いている手がカメラに写り込まないようにするのが難しい。
画面のふざけた絵の下に、真剣に話しているおじさんの顔が重なっているのがとてもキッチュでバカウケ。
更に、そのサイドで映っている自分の表情が真面目を装っているのにも笑いをこらえるのが大変だった。

こうして、2時間の全国会議は楽しくおわった。

オンラインの画面が消えると宴の後。
宴会の後の会場はどこか寂しい。

私の描いたヘン顔コレクションがそこらじゅうに投げ捨てられ散らばっていた。
パソコンのディスプレイに書き込まれた落書きを、フキンでふきとる姿はどこか切ない。
やめとけばよかったとちょっと後悔。

IT is no use crying over spirt milk. (中学校で習った英語のことわざ)
こぼれたミルクを嘆いてもしょうがない。
⇒覆水盆に返らず。

子供時代がとても懐かしい。


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